陰陽道(おんみょうどう)は、古代の中国で生まれた自然哲学思想、陰陽五行説を起源として日本で独自の発展を遂げた自然科学と呪術の体系。「いんようどう」とも読む。陰陽道に携わる者を陰陽師といい、陰陽師集団のことも陰陽道と呼ぶ。 かつては専門の研究者によっても、陰陽家の思想が日本に伝わったものが陰陽道である、と説明されてきた。しかし、中国では陰陽家の思想は儒教や道教などに吸収されて、日本の「陰陽道」に相当する独自の体系は発達しなかったとされている。そのため近年では、陰陽五行説が、自然界の万物は陰と陽の二気から生ずるとする陰陽思想と、万物は木・火・土・金・水の五行からなるとする五行思想を組み合わせ、自然界の陰陽と五行の変化を観察して瑞祥・災厄を判断し、人間界の吉凶を占う実用的技術として日本で受容され、中国の占術・天文学の知識を消化しつつ神道、道教、仏教などからも様々な影響を受け取って日本特異の発展を遂げた結果誕生したものと考えられている。